通信8【檜舞台】

梅雨のさなか、そぼ降る雨の中、裏山へ枝打ちに行ってきた。
父の代に植林した、30年ものの、高さ15〜6mの桧である。
3年前、母と植えた300本の桧は、研磨石の背丈を越えた。
今年は、森林組合補助金で、人に頼んで400本の桧苗を植えた。
先日は、中山間農林業後継者の集いに、村の公民館へ初めて足を運んだ。


出張ばかりしているわけではないのである。
いずれ、帰農しようと考えている。 かといって、退職するつもりもない。
死ぬまで、今の仕事は続けたいし、ずっと父でいたいし、山仕事もしていたい。
すべて、同時進行。欲張り過ぎとは思わない。
故郷の四季を肌で感じながら、全国行脚(出張)もする。
元より他人より秀でた能力がある訳でなし、自分のできる範囲でという注釈付き、決して無理はしないのである。


久し振りの山仕事に、午前中にて疲れ果て、母お手製の弁当を食べた後、軽トラの荷台に大の字になって横たわる。桧葉の重なり合う隙間から、時おり、木洩れ日ならぬ雨滴が顔に、落ちてくる。


    山中只一人 山こそが研磨石の檜舞台である。


前置き?が長かったが、近く、研磨石の初舞台が、金剛能楽堂である。 正真正銘、本物の檜舞台にて、である。

実は、1年半程前から習いだした、大蔵流狂言の発表会。演目は【柑子】(こうじ)研磨石は主人を務める。相方の太郎冠者は?妻以外の、女性(独身)!であります。
研磨石、檜舞台といきますかどうか?!


と き  2000/ 6/24(土) 午前10時〜午後 5時 ☆研磨石の出番は、11時頃 入場無料
ところ  四条室町上がる 金剛能楽堂
主 催  茂山七五三・千三郎社中

【檜舞台】広辞苑より
   桧の板で張った、能楽・歌舞伎などの格の正しい舞台。
   転じて、自分の腕前を表す晴れの場所。


2000(H12)/ 6/14 桧林にただひとり研磨石