通信19【旅先で人間国宝を観る・・三木市】

兵庫県三木市にビジネスホテルはない。
由緒はあるが(昔日は遊郭)、もはや夕食も出ない、看板にある料理旅館とは名ばかりの、人気のない古くて暗い館内は不気味である。
たまには、落ちぶれ果てた旅館を守る老婆を相手に、世間話をするのも旅の醍醐味。「光川浪花楼」は創業 130年、5代目。婆さんひとりで守っている。

10月頃から、ほぼ毎週のように旅に出ている。出張がないときは、旅が恋しくなり、あまり続くと妻が恋しいわけではないが、帰りたくなる。
この旅は、三木市の呉服屋さんで、昨年に引き続いて2回目の開催である。

昨日は、たまたま夜訪がなく上記の旅館へ荷物を置き捨て、車中パンを食べながら、三木山森林公園の音楽ホールへ急ぎ車を走らせた。が、全席予約にて 280席がすでに満席、
「入いることは、ならぬ、ならぬ」
と、お役所的対応に食い下がり、押し問答の末、潜り込みに成功!

破格 1000円にて、諦めていた茂山狂言を堪能する。演目は「昆布売」と「察化」旅先では、こういう幸運もある。


       念じても 叶わぬ夢は 浮寝鳥   〜磊翁〜

「念ずれば花開く」(坂村真民の詩の一句)と良く言うが、 念ずれば欲が勝つ。
      【諦めたとき、願いが叶う】 是、 私の人生観である。


【予 告】
研磨石の2回目の発表会は、来年6月30日、「金藤左衛門」(山賊役)
今度の相方は人妻である。


2000(H12)/12/16 旅先にて、狂言の稽古に余念がない研磨石 


【訪販道中膝栗毛4】
三木市は金物(大工道具)の街。そのこととは関係なく、本日、久々に良く売れた。
近ごろの傾向として公務員さんの退職者の方々が元気である。全国現場を歩いていると、新聞には書いてない現実を識ることができる。

来週は東京・東北へ、そして27日に高知への日帰りの説明会が、研磨石の旅納め。