通信17【良寛の漢詩を軸にする】

通信17【良寛漢詩を軸にする】

お待たせしました!! (有)円相ミュージアム・想作工彷バサラ亭から、新作のお知らせ。
通信の4(2月)で決意した、良寛シリーズ(6選)
皆様からの知恵もお借りしながら、ようやっとでけました、いや、できました。


良寛シリーズ】
1.画「炉辺に 一束の薪」   賛「騰々任天真
2.画「月下の僧」       賛「一輪名月凌素秋」
3.画「毬に笠」      賛「無欲一切足 有求萬事窮」
4.画「一しゅの香」(注1)   賛「古窓前」
5.画「毬に鉄鉢」       賛「君看双眼色 不語似無憂」
6.画「毬に杖」        賛「間伴児童送此身」(注2)


ちなみに、【1】の作品は下記、良寛漢詩から、4行目を某南画家に「いろりのそばに薪を束」、描いてもらい、空いた空間に、2行目の「騰々任天真」を某お坊さんに賛していただいた。
市販されている、いかにも良寛臭い絵、掛け軸という図式を避け・・・・?
避けてない気もするが、離れ過ぎても売れまへん。


 生涯懶立身   生涯 身を立つるに ものうく
 騰々任天真   騰々 天真に任す
 嚢中三升米   嚢中(ノウチュウ) に三升の米
 炉辺一束薪   炉辺(ロヘン)に 一束の薪
 誰問迷悟跡   たれか問わん 迷悟(メイゴ)の跡
 何知名利塵   なんぞ知らん 名利の塵
 夜雨草庵裡   夜雨(ヤウ)草庵のうち
 雙脚等間伸   雙脚(ソウキャク)等間(トウカン)に伸ぶ (注2)

☆解説☆
生まれてこのかた立身出世のことは気がどうも進まず、
うとうとと自然のままにまかせて過ごしている。
嚢の中には米が三升、炉の側には薪一束という暮らしぶりだ。
迷いだの悟りだのがどうだとも問わず、名誉だの利得だのという煩いも知らぬ。
雨の降る夜は庵室のなかで、気まま気ずいに、両脚を伸ばしている。


絵も描けず、書も嗜まぬ研磨石だけれど、こうやって、モノ作りに参加している実感(幸福感)は何物にも替えられない。


どうも近ごろ、研磨石は遊び呆けているのではないか? という悪い噂が・・・。
その誤解を解くために、数ある仕事のホンの一端を、お目にかけてしまいました。ま、研磨石にとって仕事も、畑も、造林も、子育ても、みな同じこと。仕事と私生活を、区別なさってる大多数の日本人のみなさんへ。


   研磨石 生きてることが 仕事なの


(注1) 「しゅ」は 火ヘンに主
(注2) 「間」 は 門ガマエに月
ご予約はお早めに!! なお、発売は12月(予定)


2000/10/20 あなたの研磨石