45通信【満員御礼】

あなたは、新聞を読んだか! テレビを見たか?
京都を代表する観世会館の能楽堂が立ち見の出るほどの大盛況でした。


ご安心ください。残念ながら研磨石の演じた「雁礫(がんつぶて)」のことではありません。
十周年記念企画の、女性ばかり総勢 39名が、1時間の余をかけて、舞台狭しと大熱演した、「唐相撲」のことでした。
その時の観客数は、400人とも 600人とも言われております。
我が守山教室からも、3名の美女が出演!、花を添えてくれました。


で、前座の研磨石演ずる「雁礫」でありますが、それでも200名くらいの観客はおられたでしょうか?

初舞台から数えて3度目の今回も、自信はなかったのですが、不思議とアガらずトチらずで、おまけに、師匠や仲間たち、向いの美人妻から「上手、上手!」と褒めていただき、少しは筋書きに笑っていただけたかと、共演者の若ラン那とダンサーに感謝、感謝であります。

年に一度のこの緊張感は、まさに大人の学芸会みたいなものでして、研磨石の精神衛生上、本当に良い趣味、おもちゃ、を手に入れたものだと、ひとり悦に入っております。

2002/ 8/ 6 まずは、ご報告まで 研磨石


心のこり
なにがさて、悲しいことかと申しますれば、研磨石の友人、知人は、誰ひとりとして見に来てくれなかったこと。
妻子や愛人(達)からも見放された哀れな研磨石は、何事もなかったかのように、またひとりこっそりと旅に出るのでありました。

   ひとり旅 つゆくさ野辺に 群れもせず  句集「苦衷」より

若ラン那、命名のその由来
それに引きかえ、
昨年の発表会に初舞台を踏んだ、向いの若旦那(美人妻の亭主)、鉢植えの蘭が楽屋に届いた時には、七三の会始まって以来だと、関係者の話題をさらったが、今年もちゃんと高価な「蘭」が届きましたがな、わが家と違い家族縁者総出の応援で。
まこと、羨ましい限りでおます。

・・・・・「」が足りぬのでしょうか?

これを読まれた通信の愛読者のみなさん!来年の発表会は、なにがさておいても見に来るように!!研磨石に高価な花は不要です、ツユクサ一輪、いや来る途中の野の花でも十分。
ご来場者は特別に、入場も無料にさせていただきます。
さらに、先着1名の方に限り、私の弁当も譲ります。

軍 足
先の通信で、軍手・軍足の産地有田郡で5足400円で購入したと書いたが、昨日ホームセンターに行ったら、同じ綿100%の軍足が、6足 298円で売っていた。
むろん中国産である。今やありとあらゆる業種が、国内生産の危機であります。
このことは、かつてお世話になった、きもの業界ですでに経験済みのこと。なぜ、懲りずに第2、第3の悲劇を繰り返そうとするのであろうか。
人の欲望はとどまることを知りません。
そしてこの空洞化の激流はだれにも止めることはできません。

しかし見方を変えれば、競争力のない、魅力のない生産者がふるいにかけられ、本物の生産者、職人が残るチャンスの時でもあるのです。

もちろん我が社は、
きもの業界の片隅で、魅力ある生産者として残るほうに与します。
全国の呉服屋さん! 今後ともどうかよろしくね!!