火祭り 龍吟虎嘯の衝立

平成29(2017)年度 永源寺高野町 東組 火祭り
永源寺高野村、東組は現在の戸数は30軒。
火祭りはお祭りではなく、自治会(東、西、上高野、下高野)の支部総会みたいなもの。
年に一度、30軒だから、30年に1回各家の回り持ち。
今年は、我が家である。

ところが研磨石、仕事のため妻と次女、嫁に行った長女と孫2人に行ってもらった。

留守の主人に代わり、掛軸と衝立の墨蹟を用意してお客さんを迎えた。
床の間には研磨石のダルマの掛軸を掛けた。

衝立の方は、
臨済宗永源寺派10代管長141世 高木独鳳(1921大正10年ー1955昭和30年)老師の揮毫。

衝立の読み方が分からなくて、
村の長老に画像をメール添付して尋ねたら、一昨日 読み下し文が長老の知人から届いた。
(衝立画像の下に添付)
大正十五丙寅歳旦の偈とあるので、
1926年の元旦に 当時65歳 当家6代目 武寛がこのご揮毫を頂いたであろうことが推測された。
武寛さんは研磨石の曽祖父にあたる。
当家6代目のことが少々気になって参りました。
この続きは、1926大正15年01月01日(金)の vajr通信、拙ブログを御覧じろ。(まだ書けてません)

2018H30 03 06(火)研磨石


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七言絶句 龍吟虎嘯の衝立

◎原文
虎嘯祥風八極生
龍吟瑞気四維盈
年頭佛法豈寄擬
心地禅河湛水清
 大正十五丙寅歳旦之偈 どく[蜀へんに犬]鳳

○読み下し
虎嘯(とらうそぶ)けば祥風八極(しょうふうはっきょく)に生(しょう)じ
龍吟(りゅうぎん)ずれば瑞気四維(ずいきしい)に盈(み)ちる
年頭仏法豈(ねんとうぶっぽうあ)に擬(ぎ)を寄(よ)せんや
心地禅河水(しんちぜんがみず)を湛えて清し
 大正十五(たいしょうじゅうご)丙寅(ひのえとら)歳旦(さいたん)の偈(げ) どく鳳

●訳
虎が吠えれば、めでたい風が世界中八方に吹きわたり
龍が唸れば、めでたい雲が四方隅々まで満ちみちる
年の初めに、仏法におしはかるようなことがどうしてあるだろうか。
心も河も水を湛えて清い。
 大正十五年丙寅の年 元旦に詠んだ詩 どく鳳


*龍吟虎嘯(りょうぎんこしょう)
  龍が鳴き、虎が吠える。龍が鳴けば雲が現れ、虎が吠えれば風が生じる。
  同じ考えや心をもった者は、相手の言動に気持ちが通じ合い、互いに相応じ合うということ。

*禅河
  意味が不明だが、尼蓮禅河(ナイランジャナー河)であれば、釈迦が悟りを開く前に沐浴した河のこと。
  釈迦が苦行を中止し、スジャータに乳粥を施され、この河で沐浴し、畔の菩提樹の下で瞑想し成道したという伝説がある。
  あるいは、永源寺の下を流れる愛知川の事か。

*大正10年、大歇橋(だいけつきょう)の石垣完成。6代目上田源左衛門、尽力する。

後日、村の長老からメールが届いた。
上田研磨石 様
これは大正9年に大歇橋が完成した時6代目上田源左衛門氏が玉垣の造成に京都の商店(呉服が中心)に呼びかけ完成したものです。
それを記念して、書をどく鳳管長からいただき、衝立にしたものと思われます。
川は愛知川ではなく、堂の後川ではなかろうかと思います。
なぜなら蟠桃溪と呼ばれ上流には極楽と言われるところがあります。
  永源寺門前の長老 砥石